Takenobu Igarashi A-Z

1970年代半ば、デザイナーの五十嵐威暢は、立体タイポグラフィの可能性を追求する精力的で約10年にわたる探究を始めました。最初の試みは雑誌の表紙やポスター、レコードジャケットに登場し、1920年代のアヴァンギャルドなタイポグラフィから影響を受けつつ、大胆で彫刻的な書体として新たに表現されました。時代を超えて人を惹きつけるそのスタイルは、デザイン業界にコンピュータが導入されるはるか以前に、立体文字と遠近法の描写を極めた、卓越した技術を示しています。

本書は、五十嵐のタイポグラフィ実験を網羅的に紹介しています。広く知られる印刷物や立体作品だけでなく、本書のために特別に撮影された写真や、これまで公開されていなかったアーカイブ資料をもとに、代表作の背後にあるプランや図面、制作草案を初めて公開します。初期の印刷作品や手描きの実験、自主制作の彫刻作品から、国際的なクライアントや各種機関のために手がけた著名な3Dアイデンティティまでを網羅。20世紀を代表するにもかかわらず、これまで十分に称えられることの少なかったデザイナー、五十嵐威暢の仕事を振り返ります。

ページ: 384
サイズ: 200 × 250 mm
フォーマット: ハードカバー
言語: 英語
刊行年: 2020
出版: Thames & Hudson