Alphabetical Playground

ロンドンのグラフィックデザイナー、ナイジェル・コティア（Nigel Cottier）の作品集。アルファベットが無限の視覚概念・体系・言語を宿す器であるという魅力に駆られ、『Alphabetical Playground』は文字表現に関わる多様なテーマを探求しています。

本書では、言語の構成要素を調べ、操作する一連のグラフィック実験を紹介しています。継続的に行われてきた可変書体の実験や、未使用のプロジェクト案、既存の文字形態の類型を遊び心をもって再解釈した作品などを通じて、アルファベットという「遊び場」を構築し、タイポグラフィの構造とデザインの可能性をどこまで拡張できるかを試みています。

最終的に（一見そうは見えなくとも）本書に収められたすべては「言語」そのものです。テキストは、私たちの思考や信念、そしてシステムをその内部に埋め込むことを可能にします。それは「コードの中のコード」、「ゲームの中のゲーム」、「システムの中のシステム」といえます。それは、アルファベットが本来の「コミュニケーションのための道具」という目的を超え、無限の創造的表現の場となる可能性を思い起こさせます。

本書は、アルファベットを無数のグラフィックシステム、概念的アイデア、そして終わりのない遊びのための器として捉えた試みです。ハミッシュ・ミュア（Hamish Muir）による序文を収録し、2021年刊行の『Letterform Variations』に続く、コティアの2冊目となる実験的タイポグラフィ作品集です。

ページ: 696
サイズ: 155 x 200 mm
フォーマット: ソフトカバー
言語: 英語
刊行年: 2025
出版: Slanted Publishers