Le Petit Didier

フランスのグラフィックデザイナー、ミシェル・ルプティディディエ（Michel Lepetitdidier）の作品集。ルプティディディエは、30年にわたり、「Le Petit Didier（ル・プティ・ディディエ）」という名前で活動してきました。その仕事は、手書き文字や絵画、ドローイングによる表現力豊かな構成と、グラフィックおよびタイポグラフィの構築における精度が共存する、豊かで自由で厳密なものです。彼の全身全霊の取り組み、揺るぎない完璧主義、そして控えめな姿勢は、間違いなく彼を「フランスで最も知られていない有名なグラフィックデザイナー」にしています。

この30年を振り返るために、本書は3部構成となっています。第1部では、ドローイング、注釈、書簡、構成資料など数多くの資料—を通して、彼のデザインとリサーチを紹介します。第2部では、美術史家でありグラフィックデザイン史・理論の教授であるヴァニナ・パンター（Vanina Pinter）が中心となり、ルプティディディエ本人、クライアント、コラボレーターとの対話をもとにした分析を展開します。第3部では、1989年から2021年までに制作された主要な作品群を年代順に収録し、彼の歩みをたどります。

本書は、詩的で繊細でありながら実用的な形を追求し続ける一人のデザイナーを知る貴重な機会を提供します。常に質と意味を探求する彼の姿勢は、グラフィックデザインが持つ力と重要性を改めて示すものとなっています。

ページ: 432
サイズ: 210 x 270 mm
フォーマット: ソフトカバー
言語: 英語、フランス語
刊行年: 2021
出版: Editions 205